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海賊対策
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  現代の海賊とは
皆さん海賊と言えば、ドクロマークの海賊旗を掲げた大型の船で、商船などを襲って金品財宝を奪う「パイレーツ・オブ・カリビアン」のような海賊やバイキングを思い浮かべると思います。しかし現在の海賊は、そのようなイメージとは全く違い、小型で小回りのきく船を使い、普通の漁船やプレジャーボートを装って貨物船やタンカーに近づき、自動小銃や対戦車ロケットなどを用いて船を襲います。無線傍受用の通信機やGPSなどのハイテク機器も用いています。

現代の海賊は国連海洋法条約により、海賊行為が「公海又はその上空などいずれの国の管轄権にも服さない場所にある船舶、航空機、人または財産に対して行われる、私有の船舶又は航空機の乗組員又は旅客による、私的目的のために行うすべての不法な暴力行為、抑留又は略奪行為、及びそのような行為を煽動又は故意に助長するすべての行為。」「軍艦、軍用航空機、政府の船舶又は航空機が同様の行為を行っても、それを直ちに海賊行為とすることはできない。ただし、乗組員が反乱を起こして支配している場合には海賊行為とみなす。」と定義されており、これらの行為を行う者と言えるでしょう。つまり海賊は全世界の敵なのです。


  現在の海賊多発地域
マラッカ海峡・インドネシア周辺

マレー半島とスマトラ島に挟まれたマラッカ海峡は、インド洋と太平洋を結び、ヨーロッパやアフリカ・中東などからの日本に向かう船舶も数多く通る国際的に非常に重要な海峡のひとつです。しかしながら海峡は狭く、浅く、暗礁や岩礁も多いため、大型船舶が通れる範囲が狭く、必然的に大型船舶は速度を落とさざるをえません。そのため海賊が襲撃しやすい状況を作り出しています。また周辺のインドネシアには小さな島々が非常に多く、海賊の格好の隠れ家となっています。2000年あたりから海賊行為が多発するようになりました。

マラッカ海峡・インドネシア周辺での日本関連船舶の被害
1999年 10月、船長など日本人2人が乗り組んで、インドネシアから日本に向かっていたアルミインゴットを輸送していた貨物船「アロンドラ・レインボー」号が出航後に消息不明となる。海上保安庁はヘリコプター搭載型大型巡視船「はやと」に特殊警備隊(SST)を乗船させて、同海域へ派遣。空からも捜索するためにファルコン900型ジェット機も1機派遣した。その後乗組員は、プーケット沖で救命ボートで漂流していたところを全員無事に救助され、「アロンドラ・レインボー」号も船名を変えて航行中に、インド沿岸警備隊によって捕捉された。積み荷のアルミインゴットは不明。
2005年 3月、建設用運搬船を曳航してミャンマーに向かっていた日本船籍のタグボート「韋駄天」号が海賊に襲われ、日本人3人が人質となるも、のちに無事解放される。この際に身代金を払ったと思われる。


ソマリア沖・アデン湾周辺

アデン湾は、スエズ運河を通って地中海とインド洋を行き来する船舶が数多く通る重要な航路です。ソマリア国内の情勢不安から、2005年あたりから海賊が多発しています。ソマリアは現在、事実上無政府状態にあり、海賊の取り締まり機関がありません。そのため貧困層の漁民や地方軍閥などが海賊行為を行っています。その主な目的は身代金などの金品です。現在ではマラッカ海峡・インドネシア周辺を超える数の海賊行為が発生しています。そのためアメリカを始め、EU、ロシア、インド、中国などが海軍艦艇を派遣して取り締まりにあたっています。日本も海上自衛隊の護衛艦を派遣して、主に日本に関係する船の護衛を行っています。また他国の船が海賊に襲われた際には、救援に向かうこともあります。

ソマリア沖・アデン湾周辺での日本関連船舶の被害
2007年 10月、日本の海運会社が運行するパナマ船籍のケミカルタンカー「ゴールデン・ノリ」が襲撃される。身代金が支払われて解放された。
2008年 4月、日本郵船のタンカーが携行対戦車ロケットによるものと思われる攻撃を受け被弾した。人的被害は無し。
2008年 7月、日本の海運会社が運航するパナマ船籍貨物船「ステラ・マリス」号が襲撃される。身代金が支払われて全員解放された。
2008年 8月、日本の海運会社が運航するパナマ船籍貨物船「アイリーン」号が襲撃される。身代金が支払われて解放された。
2008年 8月、日本の海運会社が運航する香港船籍のケミカルタンカー「ストールト・ヴァロール」号が襲撃される。身代金が支払われて解放された。
2008年 11月、日本の海運会社が運航するパナマ船籍のケミカルタンカー「ケムスター・ヴィーナス」号が襲撃される。人質はのちに解放された。
2009年 商船三井所属の自動車運搬船2隻が小型船に襲われる。被害はなし。
2011年 商船三井のタンカー「グアナバラ」が海賊に襲われそうになるも、トルコ軍と米軍が阻止する。

  海上保安庁の海賊対策
国際法上の取締根拠
国際法上の海賊の取り締まり根拠は、国連海洋法条約にあります。
・第105条  海賊船舶又は海賊航空機の拿捕
いずれの国も、公海その他いずれの国の管轄権にも服さない場所において、海賊船舶、海賊航空機又は海賊行為によって奪取され、かつ、海賊の支配下にある船舶又は航空機を拿捕し及び当該船舶又は航空機内の人を逮捕し又は財産を押収することができる。拿捕を行った国の裁判所は、科すべき刑罰を決定することができるものとし、また、善意の第三者の権利を尊重することを条件として、当該船舶、航空機又は財産についてとるべき措置を決定することができる。」

この条項により、海賊は全世界の敵と見なされ、海上保安庁は、世界中の公海上において海賊を取り締まることができます。

マラッカ海峡・インドネシア周辺の海賊対策
マラッカ海峡・インドネシア周辺の海賊対策としては、海上保安庁では周辺諸国・民間海運会社と協力して海賊対策の訓練を行っています。また巡視船「しきしま」や特殊警備隊(SST)を周辺国に派遣して、周辺諸国の海上治安機関への指導・教育を行っています。これらの訓練・教育の際には、周辺海域の哨戒も同時に行います。またインドネシアに対しては、退役した中古の巡視船艇をODA(政府開発援助)で寄贈しています。

ソマリア沖・アデン湾周辺の海賊対策
ソマリア沖、アデン湾周辺の海賊対策としては、民間会社と共同で海賊対策訓練を行っています。また2009年から、同海域に海上自衛隊の護衛艦を派遣して日本関連船舶の警護を行っています。しかしながら自衛官には逮捕権がないため、その護衛艦に海上保安官を同乗させ、海賊を拿捕した際には、海上保安官が逮捕することとなっています。逮捕した際には、海上保安庁の航空機を使って日本まで移送することになっています。派遣捜査隊として常時8名の海上保安官が派遣されています。




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