海上保安庁 海上保安庁とは

海上保安庁の業務

  管轄範囲

海上保安庁では日本の国土・領海・排他的経済水域の警備救難業務及び日米捜索救助協定に基づく東経165度・北緯17度(だいたいマーシャル諸島の周辺)までの水域の救難業務を担当します。

  三大業務

海上保安庁の主な業務には「警備救難業務」「水路業務」「交通業務」の三つがあります。

  警備救難業務

巡視船艇や航空機等による領海警備、内偵捜査、陸上捜査を含む麻薬・拳銃などの密輸の取締まりや、密航・密漁等の取締まり、不審船・海賊対策、航路哨戒、海難事故の救助、船舶火災・石油流出事故等への対応、工場排水を含む海洋汚染の監視取締りなどを行います。

  水路業務

本庁や各管区本部の交通部、測量船などでの水路測量・海象観測・海洋調査等を行い、海図や天測暦などの刊行、国際機関への海洋・海底地形などの名称提案、潮流・流氷などの海洋情報の管理・提供や水路通報・航行警報により、工事・自衛隊や米軍の演習・障害物などの情報提供等を行います。

  交通業務

巡視艇、灯台見回り船や航行援助センター等で、航路の安全確保や灯台や航路標識などの維持管理、無線電話・テレフォンサービス・FAXなどでの気象通報を行います。航路標識には光波標識(灯台など)電波標識(DGPS局・ロランC局など)音波標識などがあります。また自然エネルギーの利用、歴史的・文化的灯台の保存、デザイン灯台の設置などを行っています。

  その他の業務

離島や洋上の漁船などからの急患輸送、情勢不安地域での邦人救出、北方領土周辺などでの日本漁船の拿捕防止、大規模イベント開催時やゴールデンウィーク、年末年始などのフェリーへの警乗、ボート天国・各種講習会での安全指導などの活動があります。

  近年の重大事項
大規模災害への対応
地震などの自然災害や油流出事故などに対処するため、災害対策本部の設置スペースや医療設備を用意した災害対応機能強化型巡視船、物資の輸送力・消防能力を強化した災害対応機能強化型巡視艇を配備すると共に、関係各機関との防災訓練などを行っています。また専門知識を有する機動防除隊や特殊救難隊を設置しています。
不審船への対応
日本海や東シナ海に出没する高速不審船に対処するため、第一弾として高速特殊警備船を新潟・金沢・舞鶴の各海上保安部に配属すると共に、小型高速巡視船の武装・防弾機能などを強化し、日本海側の北は秋田から南は長崎までの保安部署に配属しています。また海上自衛隊との共同訓練や情報交換を行い、海上警備行動発令時は共同して対処することになっています。
上記の対策などにより、2001年12月22日に発生した不審船事件では不審船は沈没してしまいましたが、取り逃がさずにすみました。この不審船事件の教訓で、今後は全ての警備救難業務用船に防弾機能強化の改装が施される予定です。現在では、新型40ミリ機銃を装備した1000トンクラスおよび2000トンクラスの大型高速巡視船も整備されています。
海賊対策
近年、マラッカ海峡周辺を中心に海賊被害が急増し、周辺諸国の悩みのたねとなっています。海上保安庁では関係諸国との情報交換をするとともに、周辺海域にヘリコプター搭載巡視船を派遣し、関係各国の海上治安機関との共同訓練を行い、周辺海域のパトロールを行なっています。また近年急増しているソマリア沖での海賊事案に対応するため、日本商船を護衛する海上自衛隊の護衛艦に海上保安官を同乗させ、その権限を用いて海賊に対抗していく方針です。
尖閣諸島問題
2012年の尖閣諸島国有化以来、中国は毎日のように公的機関の船を尖閣諸島の接続水域や時には領海にまで侵入させています。これは尖閣諸島を自国領と主張する中国の一種の示威行為と考えられています。これに対して海上保安庁では24時間体制で警備に当たるとともに、大型巡視船12隻からなる専門警備部隊を設立する予定です。また平成25年5月に沖縄県に那覇海上保安部が新設され、第十一管区本部が管轄していた領海の警備・救難を担当し、第十一管区本部は尖閣諸島を中心とする領海警備に専念することになりました。

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