日本が抱える領土問題等
日本は四面を海に囲まれているため、現在抱えている領土問題も全て島(諸島・列島)を巡る争いです。日本が領土として主張している限り、海上保安庁がその領海を警備しなければなりません。現在日本は以下の3つの領土問題などを抱えています。ただし、日本政府は尖閣諸島には領土問題は存在しないとの立場をとっています。ここでは北方領土問題と竹島問題について取り上げます。
日本が抱える領土問題
日本が抱える領土問題
2013年現在、北方領土はロシア、竹島は韓国、尖閣諸島は日本が実効的に支配しています。
しかしながら、歴史的事実に基づいた検証すると、これらの島々はすべて日本領であるとの説が有力であり、ロシア、韓国の実効支配の姿勢には大いに疑問が持たれます。つまりはロシア、韓国が不法占拠している状態にあるといえるでしょう。
北方領土問題
北方領土とは、領土問題としては千島列島の択捉島、国後島、色丹島、歯舞諸島の帰属問題を指します。1855年にロシアとの間に日露和親条約が締結され、北方領土は正式に日本に属するとになりました。その後樺太・千島交換条約により、千島列島は全て日本領となりました。その後太平洋戦争に突入し、1945年、日本がポツダム宣言を受諾し、全面降伏すると、ポツダム宣言受諾後にソ連軍が侵攻し、日本軍守備隊との激闘の末、千島列島全てを占領しました。サンフランシスコ平和条約で日本が放棄した領土に北方領土が含まれるかどうかが問題となっており、日本は上記4島はは日本領、その他の島は帰属が未定の地域との立場をとっています。しかしソ連は自国領として支配を続け、その後色丹島、歯舞諸島の返還論なども出ましたが、事態は降着したまま支配はロシアに引き継がれ、現在までロシアの実効支配が続いています。
ロシアが実効支配しているため、ロシア(旧ソ連時代を含む)は、どのような理由があろうとも北方領土海域(ロシア側の主張からすればからすれば領海)に進入する日本漁船を、銃撃を加えるなどして容赦なく拿捕しており、それにより死者が出たり、長期間ロシア側に抑留されるなど問題が発生しています。
海上保安庁では、第一管区海上保安本部が、常時巡視船艇を配備して哨戒を行っており、日本漁船の拿捕防止のために指導を行うとともに、日本漁船保護のため、時にはロシア側警備艇との間ににらみ合いも発生しています。
竹島領土問題
竹島は、隠岐諸島の北西約157キロの地点にあり、男島、女島と多数の岩礁からなります。行政上は島根県隠岐郡隠岐の島町に所属します。竹島は古くから知られており、様々な名称で呼ばれていましたが、1905年に日本政府が竹島と命名し、日本領に正式に編入されました。韓国はその後に行われた韓国併合により日本に併合されたと主張し、太平洋戦争後の1952年に李承晩ライン(当時の韓国大統領李承晩が一方的に設定した軍事境界線)を設定し、強引に竹島をその内側に入れ領有を主張しました。そして日本漁船の徹底した取り締まりを行い、日本側漁民に多数の死傷者が出ました。それに対して日本政府は、当初海上保安庁の巡視船を派遣して竹島に日本領であることを示す標識を立てていましたが、韓国側が武装した守備隊を常駐させ、巡視船に発砲するなどしたため、次第に日本の船は近づけなくなりました。その後韓国側は竹島の武装化を進め、武装警察官を常駐させ、海洋警察庁は竹島警備専用巡視船を建造し、海域の警備を行うなどして現在まで実効支配しています。韓国側では、海上保安庁の巡視船などが周辺海域に現れるだけでも過剰なまでの反応を示します。日本側でも島根県が「竹島の日」を制定するなどして領有を主張しています。日本は国際司法裁判所にて決着をつけることを求めていますが、韓国側は証拠的に不利なため拒否しています。
竹島領有を巡る主な出来事
1952年 突然韓国が李承晩ラインを設定。竹島の領有を事実上宣言。
2005年 4月、海上保安庁が測量船による竹島周辺の海洋調査を行おうとしたところ、韓国側が激しく抗議し、調査を強行した際は、日本国海上保安庁の測量船を拿捕する(これは国際法違反)と宣言し、周辺海域に海軍艦艇や海洋警察庁の巡視船を集結させた。これに対して海上保安庁は海洋調査の準備を粛々と進めるとともに、測量船警護のために、隠岐に巡視船を密かに集結させ、海上自衛隊も訓練と称して京都府日本海側の舞鶴市に護衛艦を集結させるなど、一触即発の状態となった。またこの際には陸上自衛隊にも出動待機命令がかかったとも言われている。
また2005年あたりからは、竹島問題に無理矢理関連づけて、対馬も韓国領だとする主張が一部の韓国急進派によってなされています。さらに対馬の土地や建物が多数韓国関係者に買収されていることが判明しています。この中には自衛隊施設の隣接地も含まれており、国防上問題があるのではないかとして、最近は超党派の国会議員団による現地調査なども行われており、対策が検討されています。