海王丸事故について |
- 01: 名前:チチロー投稿日:2005/02/21(Mon) 19:07
- 海上保安新聞で海王丸事故の連載が始まりました。
大型船は時化のときは「沖だし」と相場が決まっているようですが、
今回の海王丸事故は危険回避行動としての「沖だし、錨泊」は
基本的に正しい行動であったのでしょうか?
「強風に耐えきれず、走錨が始まった」とありますが
走錨が予想される場合、沖だし以外の回避行動はあるのでしょうか?
船には素人ですので解りませんが、どなたかご教示いただければ幸いです。
- 02: 名前:HMS投稿日:2005/02/21(Mon) 23:53
- チチローさん、こんにちは。
平成元年に日本丸で実習航海をしていた時に金沢で岸壁係留での
台風避泊を行ったことがあります。航訓調査研究雑報97号に該当記事
が記載されています。
ただし、この判断条件には
1.金沢通過時に台風の勢力が衰えると判断した。
2.パイロットから台風の通過時&通過後の東西風が強くならない
とアドヴァイスを受けた。
3.埠頭が十分に四方を遮断していて防波堤も長く、波浪やうねりに
さらされる心配がなく、金沢市の支援により接岸避泊が可能であった。
4.付近に適当な避泊地がなく、避航するには長距離を航走する必要
があった。
という条件があって初めて接岸避泊を選択したのであり、本来は避泊
地での守錨が望ましいです。港内での漂流など創造するだに恐ろしい
事です。
それと大変申し訳ありませんが、本件は未だ海審が決審しておらず、何
らかの公式見解が出されるまでは安易な論評はお控えくださるよう、強く
希望します。
- 03: 名前:HMS投稿日:2005/02/21(Mon) 23:54
- ×創造→○想像
- 04: 名前:チチロー投稿日:2005/02/22(Tue) 22:46
- HMSさんありがとうございます。
あくまでも一般的な対処行動についてお尋ねしたかったのです。
ネット上ではかなり感情的な発言が多く疑問を持たざるを得ません。
海王丸事故は今後のケーススタディとして冷静に研究されるべきでしょう。
海上保安庁及び航海研修機関ではこの事故を契機としてどのような教育を
するべきなのでしょうか?
- 05: 名前:チチロー投稿日:2005/02/24(Thu) 14:17
- HMSさんへ
その後、海難審判の裁定文等を読みましたところ、かなりピントはずれな
書き込みをしていたことが判りました。
台風時の対策については次のようなことではないかと私なりに理解いたしました。
1.台風が接近している場合は安全な海域、港湾に至急退避する。
2.上記が困難な場合は適切な錨地に錨泊する。その際、海底地質による
錨効き、最大風速等を類推し、該台風に対して錨泊が安全であるか否かを検討
した上で行う必要がある。 なお、走錨が発生するであろう限界の風速を
あらかじめ予想しておく必要がある。
などと考えておりますが、錨泊中に限界風速を超える恐れが生じた場合は
どのようにするのでしょうか?
- 06: 名前:HMS投稿日:2005/02/24(Thu) 20:46
- チチローさん、こんにちは。
大体上記の理解でよろしいかと存じます。十分な支援が得られ、かつ
環境が整っているのであれば接岸避泊も可能であると考えます。
>錨泊中に限界風速を超える恐れが生じた場合は
>どのようにするのでしょうか?
その場合は主機関を即時待機状態とし、風速25m/s程度でまず振止錨
を投入します。その後、船体が受ける風圧力を概算する実験式
"Hughes Form"がありますので、振回角度が規定値を超えたら主機関を
発動して錨鎖に負荷がかからないようにします。
参考までに東京港外錨地の守錨基準ですが
最大風速 使用錨鎖 振止錨鎖 備考
10m/s 5節
10-15m/s 6節
15-20m/s 7節 1節
20-25m/s 8節 2節 機関用意、舵用意
25m/s以上 9節 3節 機関始動
となっています。
帆船であれば、ヤードを回してポイント・ヤード(投錨した方向にヤードを
向ける)またはカウンター・ブレース(上記の状態でミズンまたはメインを
反対側に開く)にして風
<省略されました> [全文を見る]
- 07: 名前:チチロー投稿日:2005/02/25(Fri) 15:55
- HMSさま
度々の質問で恐れ入りますが、振止錨の投入のタイミングについて教えてください。
まず振止錨の投入位置ですが
右舷錨を主錨としている場合振れ回り幅の中央から左へ
錨鎖1節分本船が動いた位置で投入すると解してよろしいか?
次に錨鎖伸張の方法ですが
主錨6節から7節に、振止錨1節の伸張を行う場合、
まず主錨を7節に伸張し、その後振止錨を投入し振止錨
1節の伸張を行うと解してよろしいか?
- 08: 名前:HMS投稿日:2005/02/26(Sat) 11:49
- チチローさん、こんにちは。
付近に他の船舶が錨泊しておらず、圧流されていないという条件で
話を進めます。以下はあくまで私の考えであり、普遍化されたもので
はないことをお断りしておきます。
振止錨の投入位置>
1.左舷錨を投入するのであれば原則はその通りです。ただし、すでに
走錨しているのであれば、錨鎖が絡む可能性がありますので、主機関
および操舵装置を先に使用すべきと考えます。
錨鎖伸張の方法>
2.その前に錨鎖にかかる荷重が25トン以下になるように主機関と
操舵装置を稼動させる方が先です。錨鎖だけ伸張しても走錨状態で
はベルマウスにおいて錨鎖に急激な曲げ応力が加わり、錨鎖切断
する可能性があります。
- 09: 名前:HMS投稿日:2005/02/26(Sat) 12:00
- 参考までに。
http://www.akogare.or.jp/shipslog/shipslog10212004j.html [source] [check]
結局は乗組員の判断でしかないということです。
- 10: 名前:チチロー投稿日:2005/02/27(Sun) 20:19
- HMS さま
ご親切にご教示ありがとうございました。
船舶の運用はなかなか奥が深いようです。
「あこがれ」のHPも拝見させていただきました。
またよろしくお願いします。
今回はこれにて失礼いたします。
- 11: 名前:削除されました投稿日:2006/05/27(Sat) 20:07
- 削除されました
- 12: 名前:削除されました投稿日:2007/04/09(Mon) 20:54
- 削除されました
- 13: 名前:削除されました投稿日:2007/04/12(Thu) 19:27
- 削除されました
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