海上保安庁 海上保安庁とは

保有船艇

警備救難業務用船

巡視船
PLHPatrol Vessel Large With Helicopter) 700トン型以上・ヘリコプター搭載
PLH ヘリコプター搭載大型巡視船です。遠海での領海警備や遭難者の輸送に威力を発揮します。また近年は海賊対策等で、海外に派遣される機会も増えています。世界最大の巡視船「しきしま」「あきつしま」(2機搭載型)や「みずほ」(2機搭載型)、砕氷巡視船「そうや」(1機搭載型)、「ざおう」(1機搭載型)などです。瀬戸内海を担当とする第六管区を除く全ての管区に配備されています。
PLPatrol Vessel Large)700トン型以上
PL 大型巡視船です。遠海での警備・救難に威力を発揮します。3000トン型、1000トン型、3500トン災害対応型巡視船「いず」などです。近年の新造船は、不審船対策などで、高速化が図られ、射撃統制装置付の高性能機関砲が搭載されています。また防御面も強化されています。
巡視船兼練習船「こじま」(海上保安大学校)・「みうら」(海上保安学校)は3000トン型巡視船です。
PM(Patrol Vessel Medium)350トン型以上
PM 中型巡視船です。大型巡視船の補完的な役割を果たすタイプのほか、事故対応能力強化したタイプなどがあります。500トン型、350トン型などです。近年は北朝鮮の工作船にも対応できる高速・高性能機関銃搭載タイプの巡視船が量産されたほか、しれとこ型PLの代船として大型のタイプも建造されています。
PS(Patrol Vessel Small)350トン型未満
PM 小型巡視船です。現在は不審船事件を受けて時速30ノット~50ノット以上出せる高速タイプが主流です。大半が防弾板を追加し、高性能機関銃を搭載しています。180トン型、特130トン型、180トン捕捉機能強化型、220トン型高速特殊警備船などです。

消防船

FL(Fire Fighting Boat Large)
ひりゆう1 その名の通り、大型タンカーなどの火災に対応します。伸縮式の放水銃を持ち、重心が高くなるので安定性確保のため双胴船形となっています。船内は与圧され、排気は冷却されて排出されます。巡視船艇の任務の多様化の中、今後専用船が建造する見込みはなく、将来廃止になる見込みです。

巡視艇

PC(Patrol Craft)20メートル型以上
PC 大型巡視艇です。35メートル災害対応型・消防機能強化型、領海警備が主任務の30メートル型、航路哨戒が主任務の23メートル型など様々なタイプがあります。「まつなみ」は迎賓艇を兼ねています。
CL(Craft Large)20メートル型未満
CL 中・小型巡視艇です。保有船艇中、最多を誇ります。主に沿海の警備救難業務を担当します。20メートル型、15(18)メートル型などです。20メートル型は100隻以上建造されています。

消防艇(全艇解役)

FM(Fire Fighting Boat Medium)
  大型タンカーなどの火災に対応します。現存船は老朽化しつつあり、新型の消防機能強化型巡視艇(現消防艇より放水量増)が代替船として建造され、廃止となりました。

以下は特殊警備救難艇です。

警備艇
GS(Guard Boat Small)
  関西国際空港の建設現場の警備用に建造された警備専用艇です。高速力と高機動性を誇ります。現在は関西国際空港周辺海域の警備に就いています。

放射能エネルギー調査船

MS(Monitoring Boat Small)
  原子力船が入港した際、放射能を測定する調査艇です。現在のタイプは巡視艇(CL)をベースとしており、警備救難業務もこなします。文部科学省の予算で整備されています。

監視取締艇

SS(Surveillance Service Boat Small)
SS プレジャーボートの指導取締り、密漁船の取締りなどを行います。見た目は普通のプレジャーボートで、覆面パトカーに近い存在です。韓国の高速密漁船対策で時速50ノットを出せるタイプ、隠密任務のため、船影の公開されていないタイプなどがあります。

油防除艇(全艇解役)

OR(Oil Recovery)
  石油流出事故などの際、オイルフェンスを展開し、油を回収します。油回収装置と500メートルのオイルフェンスを搭載しています。

油回収艇(全艇解役)

OS(Oil Skimmer)
  石油流出事故などの際、油を回収します。油回収装置を搭載しています。小型のため、分割してトレーラーで陸送する事もできます。

オイルフェンス展張艇(全艇解役)

OX(Oil Boom Extender)
  石油流出事故などの際、搭載しているオイルフェンスを展開します。走行用の機関が付いていないので、現場海域まで巡視船艇で曳航されて行きます。

 

水路業務用船

測量船
HL(Hydrographic Service vessel Large)500トン型以上
HL 大・中型測量船です。沿岸・海底地形の測量、海流情報などの収集、火山噴火予知調査などを行います。長期間(約3ヶ月間)の調査も行います。
HS(Hydrographic Service vessel Small)50トン型未満
  小型測量船です。離島や小港湾の測量、沿岸防災情報図用の調査などを行います。

 

交通業務用船

航路標識測定船(全船解役)
LL(Light-House Service vessel Large)500トン以上
LL 電波標識の有効範囲や精度、光波標識の視認状況などを確認する世界で唯一の専用船です。補修や新設計画のデータ収集も行います。航路標識測定船「つしま」1隻のみ建造されました。

設標船(全船解役)

LL(Light-House Service vessel Large)500トン以上
  浮標の設置・回収を行う大型設標船です。
LM(Light-House Service vessel Medium)50トン以上
  港湾周辺などの浅い海域の浮標の設置・回収を行う中小型設標船です。

灯台見回り船

LM(Light-House Service vessel Medium)50トン以上
  中・小型の灯台見回り船です。灯台だけでなく、各種航路標識の保守点検を行います。
LS(Light-House Service vessel Small)50トン型未満
LS 小型の灯台見回り船です。近年は専用艇だけでなく、警備救難業務に対応できるようにしたものも建造されていましたが、全て巡視艇に区分変更されました。

 

教育業務用船

実習艇
あおば 一級小型船舶操縦士資格の実技訓練に使用されています。海上保安学校に配属されています。海上保安大学校の学生も海上保安学校で実技訓練を受けます。
CⅠ 四級小型船舶操縦士資格の実技訓練に使用されていました。
 
 

船名の命名基準

基本的には以下の命名基準に基づき、配属地域を考慮してを命名されます。そのため特に巡視船や巡視艇の場合、配属先が大きく変わるとそのたびに船名が変わります。さらに最近は、巡視船を中心に命名基準に合わない船名や地元住民しかわからないような名前も増えています。

また近年は、自衛隊の艦船と警備救難に当たる巡視船や巡視艇の船名が同じにならないように考慮されています。

■警備救難業務用船
巡視船艇
PLH 旧国名(「せっつ」「みずほ」)・海峡(「つがる」「そうや」)・山(「ざおう」)など
PL 岬(「えりも」)・半島(「しれとこ」「いず」)・島(「おき」)・湾(「はかた」)など
PM 川(「おいらせ」「あぶくま」)・島(「あまみ」「くなしり」)など
PS 山(「こんごう」「きりしま」)
FL 竜(「ひりゆう」「すいりゆう」)
PC 気象(「はやなみ」「はまぐも」「ゆうづき」「しまぎり」「やまゆき」)など
CL 風(「すずかぜ」「おきかぜ」)・花(「すいせん」「しらぎく」)など
FM 滝(「しらいと」「けごん」)
特殊警備救難艇
GS 気象(「はやて」「いなずま」)
ミズ 旧名所(「きぬがさ」)
SS 星(「すばる」「あんたれす」)
または 鳥(「しらさぎ」「ちどり」)
OS 海峡?(「なると」「びさん」「つるみ」)
OX 番号(「OX-101」)
■水路業務用船
HL 海洋(「昭洋」「天洋」)
HS 潮(「はましお」「いせしお」)など
■航路標識業務用船
ルートマーキングテストボート
LL 海峡?(「つしま」)
設標船
LL 星雲(「ぎんが」)
LM 空(「みょうじょう」「ずいうん」)
灯台見回り船
LM 雲(「はくうん」「こううん」)
LS 光(「ひめひかり」「さいこう」)

Related posts

海上保安庁の船

jun

海上保安庁の組織

jun

海上自衛隊との違い

jun